ものづくり0.とは ものづくり0.とは

ものづくり0.とは

Vision 多くのものづくり企業と共に、次世代の育成に取り組みたい THK株式会社 
代表取締役社長COO 寺町崇史

THKにとって、ものづくりとは単にものをつくることではありません。そこには常に「課題解決のためにつくる」という目的が存在します。それこそがものづくりの価値であり、おもしろさでもあります。

そんな私たちの教育への取り組みは、「ものづくりの楽しさを子どもたちに伝えたい」という想いから始まりました。スタートは2017年。その5年後の2021年にTHKが創立50周年を迎えることを記念した企画でした。そこで大きな手応えを得たことから、2021年以降も継続して現在に至ります。

取り組みを開始した2017年当時は、世の中的にも「課題解決型の社会に変えていこう」という機運が盛り上がっていたタイミングでした。同時に私たちには、日本の製造業を担う会社として、少子高齢化を背景とするものづくり人材の減少に大きな危機感がありました。

そこでTHKが株式会社リバネスと取り組んだのが、大きく二つのプログラムです。一つは、元々ものづくりが大好きだったり、経験はなくとも「ものづくりで課題解決をしたい」という明確な目標をもった子どもたちを対象として、そのサポートをTHKがするというものです。これはサイエンスキャッスル研究費THK賞(2021年からはサイエンスキャッスル研究費THKものづくり0.賞、2024年からはサイエンスキャッスル研究費ものづくり0.THK賞に改称)というプログラムに結実しています。

もう一つが、「これまではものづくりに触れる機会があまりなかった子どもたち」の底上げになるようなプログラムです。技術家庭科で活用できるTHKものづくり探究教材を独自に開発し、全国の中学校や高校で子どもたちがものづくりに触れられる機会をつくってきました。

この二つのプログラムは、「上級者向け」と「初心者向け」と表現できます。より具体的にいえば、「ものづくりで課題解決に取り組む上級者向け」と「ものづくりで課題解決に取り組む初心者向け」のプログラムです。

そして、これらのプログラム実施を通じて私たちが新たに学んだのは、「ものづくり人材を本当に増やしていくためには、両者をつなぐようなステップが必要だ」ということでした。つまり、初心者から上級者に至るまでのステップをしっかりとつくっていく枠組みです。これが現在の『ものづくり0.』のコンセプトとなっています。

かつて日本は、ものづくり立国として世界に名を馳せました。しかし、率直に言ってその地位は大きく揺らいでいます。今こそ改めて、次世代のものづくり人材を育成すると共に、その人たちが思う存分に活躍できる環境をつくっていかなければなりません。その力は日本だけに止まらず、より良い未来の世界をつくるために不可欠なものとなるはずです。

私たちTHKは『ものづくり0.』を、理念に共感いただける多くの教育現場、そして多くのものづくり企業と共に進めていきたいと考えています。ものづくりで課題を解決したい。誰も見たことがないような新しいものづくりをしたい。その純粋な気持ちを応援する活動に、ぜひご参画ください。ものづくり0.のプラットフォームを通じて、次世代のものづくり人材を共に育成していきましょう。